【Point 1.】フレイルに対する非薬物的介入は運動や多成分介入、栄養介入など様々なものが報告されている。
【Point 2.】様々な報告を統合した結果、フレイルには運動を優先すると良いことが明らかとなり、中でも筋トレが最もフレイルを軽減できる可能性が高かった。
【Point 3.】筋トレを優先して行いつつ、有酸素運動といった他の運動も織り交ぜていくことで、フレイルを是正していこう!
フレイルを改善したい!
お歳を取るにつれて段々と体力や筋力が低下していくことを総称した『フレイル』。
一度フレイルに差し掛かったら、また元の健康な状態を取り戻していきたいですよね。
実際、フレイルの是正には運動や栄養、生活習慣など、様々な効果が言われています。
では、フレイルを是正していく際に、何を優先的に行っていけばいいのでしょうか?
この疑問に対して、2023年2月に Age and Ageing 誌から、複数の報告をまとめたシステマティック・レビューが報告されました。
掲載された報告によると、運動 (標準化された平均値の差: SMD = 0.43)、多成分介入 (SMD = 0.34)、および栄養介入 (SMD = 0.21) は、フレイルを軽減することに関連していることが明らかとなりました。
中でも運動による効果が高く、筋トレ(SMD = 0.58)、ヨガや太極拳といったmind-body exercise(SMD = 0.57)、複数の要素を取り入れた混合的な運動(SMD = 0.47)、有酸素運動(SMD = 0.36)が効果的であることが示されました。
最も効果の高い介入は筋トレで、高齢者のフレイルを軽減するために優先的に取り入れる必要性が示されました。
この調査は69本もの研究結果を統合しており、全部で7タイプ(11種類)の介入内容を比較しております。
当サイトでも筋トレの重要性についてはお伝えをしてきておりましたが、何にも増して優先的に行うことが必要でしょう。
筋トレを行うタイミングはどのタイミングでも構いません。
まずはご自身のできる範囲で構いませんので、筋トレを優先して行いつつ、徐々に『重さ×回数×セット数』といったトレーニング量を増やしていくことで、運動量を増やしてみましょう。
より効果を実感したい人は、筋肉を引き伸ばすように使う『遠心性収縮』も心がけてみると良いかもしれませんね。
ー紹介文献情報ー
【雑誌名】Age Ageing. 2023 Feb 1;52(2):afad004.
【筆頭著者】Sun X
【タイトル】Comparative effectiveness of non-pharmacological interventions for frailty: a systematic review and network meta-analysis
【PMID: 36746389】
参考文献・参考資料
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