【Point 1.】多くの方にとって、歩くことを増やすのは健康増進に効果的であることが広く知られている
【Point 2.】一方、フレイルや何かしらのご病気を患っている方は、歩く量を増やすことによって転びやすくなる危険性が高まる場合がある
【Point 3.】専門家とともに転倒リスクを下げるような準備をした上で、疲労感などに注意しながら歩く量を増やしていこう!
健康を保つには歩いたほうがいい。
しかしながら、人によってはたくさん歩くと、その分転んでしまう危険性が増えてしまいます。
では、転んでしまう危険性を加味しながらも、歩くことのメリットを得ることのできる適切な方法はあるのでしょうか?
今回はこの疑問に対する、Skelton DA らの見解をご紹介いたします。
まずはじめに、多くの方にとって、健康のために活動を増やすことはリスクよりも利益の方が大きいことは間違い有りません(参考文献・参考資料①)。
転倒のリスクが最も低い人には当サイトでもご紹介したような身体活動のガイドラインを満たすことが推奨されています。
ですが、このような方々に対しても、専門家とともに科学的根拠に基づいた運動を行うことによって、転倒予防につながることが示されています(参考文献・参考資料②)
特に、疲れやすさ(易疲労性)はフレイルの主な特徴の 1 つであり、長く歩くことによって歩幅減少したり、足が高く上がりにくくなってしまう可能性もあります。
したがって、活動量を増やすための準備として、疲労感やバランスを崩した際に姿勢を保てるよう、筋力とバランスの訓練が必要な場合があります。
そのうえで、科学的根拠に基づいたプログラムを、行動変容テクニックを用いて専門家とともに段階的に転ぶ危険性(転倒リスク)を減らしていくことが大切です。
まずはご自身の転倒リスクを客観的に把握することから始めてみましょう。
ー紹介文献情報ー
【雑誌名】Age Ageing. 2023 Nov 2;52(11):afad209.
【筆頭著者】Skelton DA
【タイトル】When physical activity increases risk of injurious falls: right activity, right person, right time
【PMID: 37962417】
参考文献・参考資料
- Bull FC, et al. World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour. Br J Sports Med. 2020 Dec;54(24):1451-1462.
- Sherrington C, et al. Evidence on physical activity and falls prevention for people aged 65+ years: systematic review to inform the WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour. Int J Behav Nutr Phys Act. 2020 Nov 26;17(1):144.