認知機能低下のある高齢者への運動が歩行機能を良くする?

認知機能
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理学療法士(PT)

【Point 1.】認知機能低下のある高齢者にとって、有酸素運動や筋トレは歩きの改善に効果的なのだろうか?

【Point 2.】有酸素運動、筋トレはどちらも歩きの改善に効果的で、筋トレは長期的な効果も認めた!

【Point 3.】たとえ認知機能の低下があったとしても、安定した歩行が持続できるように日頃から散歩や軽めの筋トレを継続しよう!

認知機能の低下があっても運動の効果は得られる?

認知機能低下があったとしても、有酸素運動や筋トレ、2つの複合トレーニングが短期的および長期的に高齢者の歩行機能の改善に影響するのでしょうか?

有酸素運動や筋トレといった運動により、 26週目(約半年後)では特に有酸素運動群において、①歩行速度が速くなる、②歩幅が大きくなる、③歩数が多くなるといったの歩行機能への効果が認められました。

一方、52週目(約1年後)の長期的な効果は筋トレのみで認めていました。

この研究は基本チェックリストを使用して判断した認知機能低下のある地域高齢者388名(平均72歳)を対象に、週2回26週の有酸素運動、筋トレが介入をしない人と比較して、歩行機能が改善するのか検討したランダム化比較試験です。

トレーニング内容
■ 有酸素運動:椅子または立った状態で足踏み運動(10~15分+15分)26週間
■ 筋トレ:ゴムバンドを使用した運動(10~15分)、スクワットや踵あげ等の自重トレーニング(15分)26週間
■ 複合トレーニング:筋トレの後に有酸素運動を実施。
※ トレーニング量を各群ともに一定に保つため、介入期間は13週間とした

筋トレの方法には、いくつかのコツがあります。

当サイトでも運動のコツについてご紹介しておりますので、以下の記事などを参考にしてみてください。

今回ご紹介した報告の結果から、認知機能が低下した高齢者でも、自宅での有酸素運動や筋トレが歩行機能改善に有効であることがわかりました。

是非、自宅でも続けられるような運動から始めてみてはいかがでしょうか?


ー紹介文献情報ー

【雑誌名】Exp Gerontol. 2021 Dec;156:111590.

【筆頭著者】Kosuke Fujita

【タイトル】Short- and long-term effects of different exercise programs on the gait performance of older adults with subjective cognitive decline: A randomized controlled trial

【PMID:34648847