【Point 1.】高齢者の食事性タンパク摂取量と筋肉量の関連を評価した17件の研究をまとめた
【Point 2.】多くの研究で食事性タンパク摂取量が多いほど筋肉量が多いという関連を認めた
【Point 3.】筋肉量を増やしやすくするために、食事内容を見直してみよう!
高齢者の筋肉量に対して、食事からのタンパク質摂取はどんな利点があるでしょうか?
Yaegashi Aらは、2021年のGeriatr Gerontol Intにおける報告で、縦断的(コホート)研究の55.6%、横断的研究の76.5%に、食事でのタンパク質摂取量が多いほど筋肉量が多いという正の相関を認めたことを示しました。
しかし、含まれた研究の多くは関連性を調査するだけの横断的研究であり、高齢者の食事性タンパク質摂取量と筋肉量の因果関係を結論付けることはできませんでした。
この研究は、60歳以上を対象に食事性タンパク質摂取量と筋肉量を評価した英語の研究を集積し、統合して結果を解釈したシステマティックレビューの報告になります。
過去に報告された15402件の内、選択基準を満たした17件の研究が対象となりました。
対象者の特性や研究デザインによって結果にバラツキがあるようですが、食事内容の見直しが筋肉量増加につながる可能性があります(関連記事参照)。
虚弱な高齢者に推奨されるタンパク質摂取量は、体重1kgあたり1.2g~1.5g/日とされています(参考文献・参考資料①)。
この機会に、ご自身のタンパク質摂取量を確認してみてはいかがでしょうか?
ー紹介文献情報ー
【雑誌名】Geriatr Gerontol Int. . 2021 Dec;21(12):1077-1083
【筆頭著者】Yaegashi A
【タイトル】Association of dietary protein intake with skeletal muscle mass in older adults: A systematic review
【PMID: 34643981】
参考文献・参考資料