【Point 1.】Body Mass Index (BMI) は、簡便に肥満度を示す指標としてよく用いられている
【Point 2.】360万人を調査した結果、BMIが高すぎるだけでなく低すぎることも死亡リスクを上昇させた
【Point 3.】自身のBMIを把握したうえで、適切な体重管理を行っていこう!
BMIは肥満度の指標
BMIとは、Body Mass Index(ボディ・マス・インデックス)の略称であり、よく耳にする言葉だと思います。
こちらは「体格指数」などと呼ばれており、太っているのか?痩せているのか?を判断する肥満度というものを表す指標です。
計算式は以下のようになります。
[体重 (kg)] ÷ [身長 (m)の2乗]
BMIは病気や早死するリスクが高まると言われていますが、大規模な研究は今まで行われておらず、BMIと健康被害(死亡や病気のリスク)の関係を示す十分な根拠はありませんでした。
今回は、イギリス人360万人という大規模な研究が明らかにした、BMIと健康被害の関連性を示した論文をご紹介します。
360万人のデータから解析
この研究では、360万人(イギリスの全人口の約9%)もの大規模な人数を対象にした研究データを使用しています。
その中には、アジア人も含まれています。
この研究では、研究参加者のBMIを調査し、BMIの大きさが死亡率とどのように関連しているかを調べました。
BMIは21-25kg/m2の範囲の人が最も健康的
調査の結果、BMIが21-25 kg/m2 の範囲にいる人は、最も死亡するリスクが低いということがわかりました。
病気別でみても、心臓病、呼吸器疾患、内分泌疾患、消化器疾患などが原因で死亡するリスクもBMIが21-25 kg/m2 の範囲にいる人が最も低いということがわかりました。
寿命は??
男女別に解析を行った結果、BMIが30 kg/m2 を超えている人はBMIが21-25 kg/m2 の範囲にいる人と比較して、40歳以降の平均寿命が男性で4.2年短く、女性で3.5年短いことがわかりました。
栄養管理と運動が大切
BMIが21-25 kg/m2 の範囲にいる人は最も健康的であることが、今回の大規模な報告から明らかとなりました。
BMIは体重計さえあればすぐ計算できるので、一度ご自身のBMIの値を確認してみてはいかがでしょうか。
もしBMIが高いという方は「栄養管理をしている肥満な高齢者には有酸素運動or筋トレのどっちが効果的?」でご紹介したように、摂取カロリーなど今の食事内容の見直しを行い、運動も同時に始めてみることがオススメです。
また、BMIが低かった方は、栄養が足りていない可能性が一つの原因として考えられます。
栄養不足の人は、「栄養失調とフレイルはとなり合わせ??」でご紹介したように、フレイルな状態になっている可能性もありますので、今の食事量や食事内容が適切かどうかを専門家に相談してみるのもいいかもしれません。
ただ、今回の研究結果では、BMIが高すぎる人に比べて、BMIが低すぎる人は健康被害のリスクはそこまで上昇しないという結果でした。
しかし、BMIは高すぎても低すぎても健康状態に悪影響を与えるということに変わりはありません。
今回の結果から、健康増進のために、ご自身の適正な体重やBMI値を知り、食生活や運動習慣を見直してみるのはいかがでしょうか。
ー紹介文献情報ー
【雑誌名】Lancet Diabetes Endocrinol. 2018 Oct 30. pii: S2213-8587(18)30288-2
【筆頭著者】Bhaskaran K
【タイトル】Association of BMI with overall and cause-specific mortality: a population-based cohort study of 3·6 million adults in the UK.
【PMID: 30389323】