座りすぎは心臓病を早めるかも!

基礎知識
この記事は約5分で読めます。
”この記事を書いた人”
山下真司をフォローする

【Point 1.】座っている時間が長いと、腰痛や肩こりといった症状の原因になると言われている

【Point 2.】座っている時間が長い人は血圧や血糖、中性脂肪など、心臓病に影響する要因とも関連することが分かった

【Point 3.】長時間座っている方は、30分に1回の頻度で軽く身体を動かす時間を取り入れてみよう

突然ですが、昨日(今日)1日の生活を振り返ってみましょう

振り返ってみた時に、座っている時間と身体を動かしている時間の割合はどうでしたか?

中にはデスクワークに集中して、ついつい座っている時間が長くなってしまう方もいらっしゃるでしょう。

座りすぎの健康被害として、腰痛や肩こりなどがあります。

腰痛や肩こりの原因になる理由として、長い時間同じ姿勢でいることや運動不足が影響していると言われています。

一方で、運動不足は心臓病の原因になることも広く知られています。

では、座っている時間が長い人の場合では心臓病になりやすいのでしょうか?

今回は心臓病の原因になりやすい「血圧」や「血糖」などに着目して、座っている時間が長いとどのような影響が生じるのかを検証した報告をご紹介いたします。

加速度センサを腰につけて1週間の活動をチェック

この報告は、PREVIEWプロジェクトと呼ばれるの8つの国(※1)からなる研究チームの取組みのひとつとして行われました(参考文献・参考資料1)。

始めに、8カ国から合計2,326名(25~70歳、女性67%)の対象者を集いました。

なお、この研究では、血糖値が高くなく、かつBMIが25を超えている肥満の方に対象者を限定しました。

対象者には1分ごとにデータを記録できる加速度センサを腰に着けてもらい、合計で1週間の活動の様子を記録しました。

続いて、記録された加速度データを用いて「座っている時間」、「活動している時間」、「活発な時間」に活動を分類しました。

合わせて、「活動している時間」と「活発な時間」を合計することで、日中に活発な運動を行っていた時間(中等度以上の活動時間)を算出しました。

参考までに、厚生労働省ではこの「中等度以上の活動」の目安を、軽く息が弾む程度としています(参考文献・参考資料2)。

さらに、上記の解析とは別に1日の活動量も算出しました。

座っている時間が長いとと心臓病を早めるかも!?

解析の結果、座っている時間が長いと、心臓病の危険因子と言われている血糖や中性脂肪、インスリン抵抗性、血圧などが高く、ウエストが太いことが明らかとなりました。

また、1日の活動量が多いと血糖や中性脂肪が低く、インスリン抵抗性も低いことが分かりました。

インスリンは、主に血糖を下げる働きをします。

この「血糖」を下げる働きが利きにくいことを「インスリン抵抗性」と呼びます。

つまり、インスリン抵抗性が高いほど、血糖が下がりにくい状態であると言えます。

「軽く息が弾む運動」が多いと心臓病のリスクを下げるかも??

日中に活発な運動を行った時間(中等度以上の活動時間)を用いて活動時間と心臓病の危険因子との関連を見た結果、活動時間が長いとウエストが細くなることや血糖、インスリン抵抗性、中性脂肪などが低いことが明らかとなりました。

こまめに身体を動かす時間を確保しよう!

今回ご紹介した報告の結果から、座りすぎは心臓病の危険因子である血糖や中性脂肪、血圧などと関連することが明らかとなりました。

しかし、今回の報告は「心臓病の発症」を検討していたわけではありません。

したがって、今回の結果だけでは心臓病のリスクを下げるとは言い切れませんので注意しましょう。

また、今回の研究は肥満の方を対象としており、BMIが25未満の正常体重な方や、BMIが18.5未満の痩せ型な方を対象にはしていません。

そのため、座りすぎと心臓病のリスクの関連性をはっきりさせるには、さらなる検証が必要と言えるでしょう。

デスクワークなどををされていて普段から座っている時間が長い方は、意識的に身体を動かしてみると良いかもしれません。

アメリカの糖尿病学会では、20-30分ごとに立って歩いたり軽い体操を行う事を推奨しています参考文献・参考資料3)。

ぜひ、座っている時間が長いと思う方は、簡単な体操をこまめに取り入れてみましょう。

※1: PREVIEW プロジェクト参加国:デンマーク、フィンランド、オランダ、イギリス、スペイン、ブルガリア、オーストラリア、ニュージーランド


ー紹介文献情報ー

【雑誌名】Diabetes Care. 2018 Mar;41(3):562-569.

【筆頭著者】Swindell N

【タイトル】Objectively Measured Physical Activity and Sedentary Time Are Associated With Cardiometabolic Risk Factors in Adults With Prediabetes: The PREVIEW Study.

【PMID: 29158249